羽越旅行記 Vol.2 (@鳥海山・酒田)
鳥海山登山
翌日は鳥海山へ登った。鳥海山は山形と秋田の県境にあり、標高は2236mで日本百名山のひとつ。梅雨期の登山は悪天候になりがちなのであんまり気乗りしないけれど、気象庁の高層天気図とにらめっこしてどうも大丈夫そうだということで登山を決行した。
大平登山口から山頂を目指す。7合目の御浜付近にある鳥海湖はカルデラ湖で、雪渓に緑がよく映えて美しかった。
鳥海湖から先はこれまでの風景とは打って変わって火山らしいゴツゴツとした風景に変わる。その変貌ぶりがまた面白かった。
山頂の北西方向に開いた馬蹄型カルデラは2600年前の山体崩壊で出現したもので、象潟の九十九島などの流れ山を麓にもたらしたらしい。
稜線に入ると風が強くなって、曇ったり晴れたりを繰り返す天候になった。どうなるか不安だったけれど、山頂直下の大物忌神社御本社に着いたときにちょうどガスが晴れていって、新山山頂では360°見渡せる素晴らしい眺望に恵まれた。
あれは本当に幸運だったな...と今でも思い返してしまうほど感動した。
鳥海山大物忌神社の御本社に参拝して無事に下山できるように祈ってから下山を開始。上りと同じコースを下ったけれど、他の登山者は雪渓を下って行った方が多かった。チェーンスパイクしか持ち合わせておらず不安だったので雪渓下りはやめておいたが、急なガレ場の途中とかでやっぱり雪渓下りでもよかったかな...と後悔したりした。
17:00ごろに下山完了。YAMAPのデータによると10時間以上歩いて、累積標高は上り下り1550mほどだった。半年以上登山をサボっていた身にはきつかった。
酒田へ
下山後は酒田市の「最上屋旅館」に投宿し、大正15年築の歴史ある部屋で登山の疲れを癒した。部屋の柱は総ヒノキ、長押・敷居・鴨居はツガ、廊下は米松、天井に屋久杉が使われている。
地元食材に拘った家庭料理は飾り気がないけれどそれが良かった。特に地元のコシヒカリを使った白飯がとにかく美味しくて何杯もおかわりした。こんな食事を毎日食べられたらいいのにな...と思う。
食事と風呂を済ませた後は持ち込んだ酒を飲みつつ、普段あまり見ないテレビを見たり、明日何するかなぁ...と旅程を考えたり、ボーっとしたりしていた。贅沢な時間の使い方だ。
旅程をみっちり考える方ではないのですぐに飽きて、登山の疲れと酔いが回ってきたのでこの日は早めに床に就いた。
(2021/7/1)